常楽さんの健康ブログ

健康について考えるブログです。

主観的幸福感と快楽の回転踏み台

Subjective Well-Being(SWB)という言葉がある。日本語では一般的に「主観的幸福感」と訳されている。このSWBの研究の第一人者とされているアメリカの心理学者エド・ディナーは「主観的幸福感」というものは、「自分の生活が価値のあるものかどうかについて、自分で決める権利があるという民主的なもの」であるとして、以下の4つのことを挙げている。

①たくさんの喜びがあり、不快な感情が少ない時

②興味のある活動に従事している時

③たくさんの喜びがあり、苦痛が少ない時

④生活に満足している時

エド・ディナーが挙げたこれらの4つであれば誰でも何回も経験しているはずである。しかしながら、実際には「自分は幸せではない」と思っている人が多いのは何故だろうか。

私は「社会的比較」という要素が人間の幸福に大きく影響していると思っている。マイヤーという心理学者は「年収1万ドルの人は年収5万ドルにならないと金持ちになったとは思わないだろうし、年収50万ドルのひとは年収100万ドルにならないと金持ちになったとは思わないのだ」と、言っている。残念ながら現代社会はテレビなどで世界中の情報が手に取るように分かることで、自分とは程遠い存在との社会的比較も可能にしてしまい、そして益々「快楽の回転踏み台」から逃れられない状態となっている。

老子「タオ」の独特の日本語訳で著名な加島祥造氏が『求めない』という本を出されているが、この本の中にも「幸福」への回答が見出されるかもしれない。