常楽さんの健康ブログ

健康について考えるブログです。

「運動不足」は「パンデミック」な状態(病気などの“大流行”)

世界の死亡原因の第4位に「運動不足」があるとする報告が近年のイギリスの医療雑誌『ランセット』に報告された。同誌ではパンデミック(病気などの“大流行”)という表現を用いてその深刻さを訴えている。そして2007年だけでも非伝染性の病気で死亡した人の内、運動などをして体を動かしていたら530万~570万人が死から救われただろうと指摘している。

同誌ではその要因の1つとして中国の急速な経済発展と都市化が身体活動の低下と関係している可能性を指摘しており、今後さらにアフリカなどでも地方から都市への急激な人口移動が中国と同じように身体活動の低下を招くことになるだろうとしている。

人類はおよそ1万年前に農業を始めたとされており、それ以前の数100万年間という気も遠くなるような長い期間は食物を求めて野山を歩き回っていたため、長時間の運動が常態であった。それが、現代のようなライフスタイルの‘きっかけ’なったのはおよそ200年前の産業革命といわれており、さらに拍車を駆けたのが車社会であり、IT革命といえるだろう。

便利な社会となり快適な社会となった半面、「運動不足」という私たちの遠い祖先が経験したこともない病の原因に私たち現代人は直面していることを深刻に受け止める必要がある。そして日常の生活の中で、出来るだけ先祖から受け継いできたこの私たちの便利な2本の足で歩き、早歩きをし、階段を上りそして体を鍛えることが大切だろう。