常楽さんの健康ブログ

健康について考えるブログです。

太極拳は究極の有酸素運動

 近年、太極拳の健康効果についての研究論文が数多く発表されている。世界の医学系雑誌に発表された論文は昨年1年だけでも110本以上になる。それだけ太極拳の健康効果について世界中の大学などの研究機関で注目を集めている証だろう。

 太極拳は中国で武術として伝えられてきたものだが、近年は健康のための運動として愛好されている。太極拳はスローに優雅に滑らかに動きながら、体重を右足から左足へそしてまた、左足から右足へと体重移動させるのが特徴である。一見軽い運動に見えるが、運動強度はやや早歩きぐらいの運動である。そして深い呼吸を伴った適度な有酸素運動であることから、海外ではムービング・メディテーション(動きながらの瞑想)などとも呼ばれている。

 主な健康効果としては①バランス能力の向上による転倒予防②下肢筋力の強化③心肺機能の強化④ストレス軽減効果そして近年は⑤認知機能の向上などが発表されている。

 太極拳は性別・年齢を問わずに行うことができるので、高齢者にとっては健康維持のために最適な運動といえるが、一番の問題は覚えるのに時間が掛かること。何とか体を動かすことが出来るようになるまでには週1回の太極拳練習で少なくとも1年以上の練習期間が必要になる。しかし、最初の1-2年の困難な期間(実際はこの期間が脳を非常に活性化させているので認知症予防に有効)を乗り越えることが出来れば、その後に得られるものはその期間の苦労の何倍にもなって帰ってくるので是非続けてほしいと思っている。