常楽さんの健康ブログ

健康について考えるブログです。

「人生100年時代構想」に思う日本人の平均寿命と健康寿命

昨年9月以降、「人生100年時代」という言葉を頻繁に耳にするようになった。政府は2017年9月に安倍総理を議長とする「人生100年時代構想会議」というものを立ち上げたのだ。この背景にあるのは日本の平均寿命・健康寿命が共に世界一であるという現実があり、さらに「2007年まれのどもの50%が107歳まで到達するとされる海外の研究」に基づいている。

確かに日本人の平均寿命と健康寿命は年々伸びており、厚生労働省の発表では2016年度の平均寿命は男性が80.98歳、女性が87.14歳となり、健康寿命は男性が72.14歳、女性が74.79歳との事である。

しかしながら、平均寿命と健康寿命の差は依然として男性が8.84年、女性では12.35年ある。健康寿命とは自分の事は自分で出来る自立した生活ができる期間のことである。そして平均寿命との差は介護を必要としている期間を意味している。この介護を必要としている期間は2001年には男性が8.67年、女性が12.28年であったが、年々格差が大きくなり、2010年には男性が9.22年、女性が12.77年となった。その後、政府も健康寿命と大切さを大々的にアピールしてきた結果少しは短くなったが、依然として男性が9年弱、女性は12年強という長い期間他人の介護を必要としているのが現状である。

「人生100年時代構想会議」におけるテーマは人生100年を前提として「教育」と「働き方」という二つのテーマが中心になっている。確かに二つとも重要なテーマには違いないと思うが、問題は健康寿命としての人生100年時代」をベースに置いているのかという疑問が残る。人生100年時代構想はあくまでも健康寿命をベースにしたものでなければならない。そうした意味でも「人生100年時代構想会議」のテーマには健康寿命の延伸も是非含めてほしいと願う。