常楽さんの健康ブログ

健康について考えるブログです。

断続的断食による健康法

私は20歳になった年に10日間の断食をしたことがある。特に理由があった訳ではないが、当時ヨガに興味を持っていた事もあり成人になった記念にと思って奈良の生駒山にある断食療養所に入って行った。

修養所での最初の3日間は少しずつ食事の量を減らしながら体調を整えて4日目から水だけの本格的断食を行った。そして10日後に最初に頂いた食事はお米のほとんど入っていないお粥一杯であったが、そのお粥の美味しかったことは今でも忘れない。この一杯のお粥を少しずつなめるようにしながら出来るだけ長い時間を掛けてもったいないという思いを保ちながら食べたのだった。こんな経験は私の人生で後にも先にもこの時しかない。

 この10日間の断食で当時55㎏ほどであった私の体重が45㎏ほどに急減した。この断食の期間に私を最も悩ませたのは意外なことに空腹感ではなかった。それは一日の時間の長さであった。通常私たちは朝起きて朝食を食べて「さあ、今日も頑張ろう」と元気が出る。そしてお昼になり昼食を摂って「午後ももうひと頑張りだ」という気分になる。さらに夜に夕食を摂って「今日も一日頑張った」という気分になる。つまり、食事は一日の時間の区切りなるが、この食事がないと一日の時間の区切りがない為とてつもなく一日を長く感じてしまう。総括すれば私にとってこの体験は空腹という肉体的苦痛よりも一日の時間の長さという精神的苦痛との闘いであった

終了後は少しずつ通常の食事に戻しながら、体調を整えて約1ヶ月後に療養所を後にしたのだった。

 次回は最近ハーバード大学などから複数の論文が出て注目を集めている断続的断食法(Intermittent Fasting: IF)について述べたい。