常楽さんの健康ブログ

健康について考えるブログです。

太極拳とフロー体験

芸術やスポーツの世界にはフロー体験と呼ばれるものがある。フロー体験というのは「時間の経過を忘れて、没入するほどの喜びの体験」のことを言う。フロー体験を得るためには自分がしようとしていることのチャレンジ度(難易度)とそのことに対する自分のスキル(能力)のバランスが均衡した時に得られるとされている。

どんなスポーツでも芸術でも、最初に自分が挑戦した時は難しくてなかなか上手く出来ないために、その事を楽しむ状況にはならないが、少しずつ上達するにしたがって夢中になり、時間の経過を忘れる程に楽しくなってくる。これがフロー体験というものだ。

私は太極拳を始めて18年になるが、習い始めた頃は全く先生の動きについて行けず不安状態が1年ほど続いた経験があるが、次第に体が自然に動くようになり、現在は毎回行う度に太極拳の難しさを意識しながらも、自分なりに太極拳を舞う事の楽しさを感じている。

フロー体験は喜びの体験であり、ポジティブ感情の発露した体験である。先の項(大切なのはポジティブ思考)でも述べた通り、ポジティブ感情は自律神経のバランスを促し、血流を増やして健康効果を高めることが期待されている。特に、太極拳の初心者は最初の1年ぐらいの間は両手、両足を左右バラバラに動かすことがなかなか難しく、大変脳が混乱した状態(不安状態)を経験するが、これは「どうしたら上手く両手足を動かしたらよいのだろう」と脳がすべての神経細胞をフル回転させている状態なので、認知症予防に大変良いという研究報告が発表されている。

太極拳は適度な有酸素運動であり、下肢筋力を強化し、心肺機能を高めるため誰にでもお勧めすることが出来る運動といえる。