常楽さんの健康ブログ

健康について考えるブログです。

大切なのはポジティブ思考

 定期的に適度の運動を継続することが健康に良いことは、今では誰でも理解している。しかし、このことが科学的に証明されたのは戦後になってからだ。1953年に発表されたロンドン大学のモリス教授らの研究でロンドンバスの運転手(仕事中は座ったままで体はほとんど動かすことはない)はバスの中を立ったままで動き回っている車掌と比較して冠動脈心疾患での死亡者が3倍高いことが分かった。そしてその後はハーバード大学のパフェンバーガー教授らの研究があり、今では運動と健康の間には強い相関関係があることが分かっている。

 そんな時、仕事がそのまま運動をすることに繋がれば理想的だろう。実際、私たちの遠い祖先たちは獲物を追いかけて野や山をさ迷い歩いていた狩猟民族であり、さらに約1万年前に農業が始まったと言われる農耕民族も毎日畑に出て運動してきたのだ。従って、私たちの体は運動することで体の生理機能が最大限発揮されるような構造になっていると言える。

 それゆえ現代社会においても、毎日適度に体を動かすことが求められる仕事であれば、特に仕事の後にジムに通う必要もない。そのような仕事の1つの例としてはレストランのウエイトレスがある。比較的大きなレストランで人気のあるレストランなら、尚良い。毎日店内を忙しく歩き回り、手には料理を持ち、お客の注文をとり、テーブルの後片付けをし、と昼食時や夕食時の時間帯は頭を使い、歩き回り、手には料理を持っている。私は昼食の時は外食が多いので何回もこのような風景に出くわすが、お客に笑顔をみせて話しかけ、体を動かしているのだから、恐ら彼女たちは毎日1万歩以上を歩きながら且つお客に気配りをしているので頭をフル回転しているに違いない。

 認知症予防にはダブルタスクが良いとされている。ダブルタスクとは2つのことを同時に行うことをいう。特に運動しながら頭を使うのが大変良い。運動をすることで脳の血流が増えた状態で100から7を引くなどの引き算をするのである。

 しかし1点大変重要な点がある。それは彼女らが「自分は毎日体を動かし、お客に笑顔で話しかけをしているのだから健康に良い」と自覚している場合には健康効果はさらに高まるという点である。逆に、「毎日忙しくて重労働で大変だ」と思いながら仕事をしている場合には健康効果は高まらない、という論文が発表されている。

 最終的には何事においても、ポジティブに向き合う態度が自分を良い方向に導くという事だろう。