常楽さんの健康ブログ

健康について考えるブログです。

「新型の頭脳流出?」-スマホ依存症は認知機能の低下を招くー

「頭脳流出:スマホを傍に置いておくだけで認知機能を低下させる。」と題する論文(The Consumer in a Connected World誌8月号)が発表された。 この論文によると、日頃からスマホを使用している520名の大学生の男女を対象とした研究で対象者を3群に分けて、第1群はスマホを常に机の上に置いた状態にし、第2群はスマホをカバンの中に入れた状態であるがカバンは部屋に持ち込む状態とし、そして第3群はスマホが入ったカバンを部屋に持ち込まずに受付に預けてから部屋に入る状態にして、全員の認知機能テストを行ったところ、認知機能の数値が一番高かったのはカバンを部屋に持ち込まなかった第3群で、一番数値が低かったのはスマホを机の上に置いた第1群であったと報告されている。

この一つの研究結果だけで決定的なことは言えないが、この論文は非常に重大なことを示唆している。 私はこの欄で過去にも「利便性の追求とその高価な代償」について述べたが、現代人は車やエレベーター・エスカレーターの普及が運動不足による生活習慣病の蔓延という高価な代償を支払うことになっている。

同様に、現代の若者は常にスマホに心を奪われている現実が見られる。スマホがあればどんな情報も即座に得られ、且つ常にスマホを通じて世の中と繋がっているという安心感があるようだ。しかし、自分の頭で思考を巡らせることもなくなれば、これはまさに人間の頭脳がスマホに流出している状態といえる。

この論文が示唆しているように、将来スマホという利便性の高い怪物に依存するあまり、認知症の蔓延という高い代償を支払うことにならないのか、気になるところだ。