常楽さんの健康ブログ

健康について考えるブログです。

青春時代の思い出は年をどれだけ重ねても変わらず懐かしい

昨年は高校を卒業して50年目の年であった。このようなこともあり、“半世紀会”と称した高校の同窓会が名古屋で開催された。もともと男子校であった関係で女生徒は少なかったのだが、この“半世紀会”には2名の女性の参加があり大変盛り上がった。そして最後に舟木一夫の「高校三年生」を全員で肩を組みながら合唱したが、感激して胸が引き締まる思いがした。

そして、昨日は元の会社の同僚が高校の同級生と「ざ・サンクス」というフォーク・バンドを結成して関西を中心に活躍していたが、今回初の東京公演とのことで新橋のフォークのライブ・スタジオに出かけた。懐かしいフォークの数々と軽快な会話で2時間ほどのライブはあっという間に終わったが、アンコール曲として用意されたのは、やはり舟木一夫の「高校三年生」であった。生の伴奏に合わせて参加者全員で合唱して終了したが、誠に感激の時間であった。

高校三年生は満18歳であり、正に青春の真っただ中である。私たちの五感の中で過去を一番鮮明に思い起こしてくれるのは何と言っても聴覚だろう。当時の懐かしい音楽を聴くと鮮明にその音楽が流れていた時代を思い起こしてくれる。私たちの体は60兆の細胞からなっている。私はこの60兆の細胞たちが青春時代を鮮明に記憶しており、当時の音楽を聴くことで青春時代を呼び起こしてくれるのだろうと思っている。

年を取ってくると残念ながら、感動することが少なくなってしまう。それが老いなのかもしれない。だから、こうした青春時代を心から呼び起こしてくれるような機会があれば大変健康的であろうと思う。自分の青春時代を求めて昔のアイドル歌手の追っかけをしている中高年者も大いに結構といえる。

「運動不足」は「パンデミック」な状態(病気などの“大流行”)

世界の死亡原因の第4位に「運動不足」があるとする報告が近年のイギリスの医療雑誌『ランセット』に報告された。同誌ではパンデミック(病気などの“大流行”)という表現を用いてその深刻さを訴えている。そして2007年だけでも非伝染性の病気で死亡した人の内、運動などをして体を動かしていたら530万~570万人が死から救われただろうと指摘している。

同誌ではその要因の1つとして中国の急速な経済発展と都市化が身体活動の低下と関係している可能性を指摘しており、今後さらにアフリカなどでも地方から都市への急激な人口移動が中国と同じように身体活動の低下を招くことになるだろうとしている。

人類はおよそ1万年前に農業を始めたとされており、それ以前の数100万年間という気も遠くなるような長い期間は食物を求めて野山を歩き回っていたため、長時間の運動が常態であった。それが、現代のようなライフスタイルの‘きっかけ’なったのはおよそ200年前の産業革命といわれており、さらに拍車を駆けたのが車社会であり、IT革命といえるだろう。

便利な社会となり快適な社会となった半面、「運動不足」という私たちの遠い祖先が経験したこともない病の原因に私たち現代人は直面していることを深刻に受け止める必要がある。そして日常の生活の中で、出来るだけ先祖から受け継いできたこの私たちの便利な2本の足で歩き、早歩きをし、階段を上りそして体を鍛えることが大切だろう。

楽しいから笑うのか、笑うから楽しいのか

私が勤務した会社のOB会では幾つかの同好会があり旧交を温めあう良い機会となっているが、その一つに「寄席観賞巡り同好会」と云うのがある。年に2回都内の寄席演芸場で半日とっぷりと笑う同好会であるため、私も毎回楽しみに参加させて頂いている。昨日は国立演芸場でたっぷりと笑い、そして取りに登場した歌丸師匠の話に会場が静まりかえるほどの迫力に引き込まれ、終わると同時に大拍手となった。大いに笑い本当に楽しさを満喫した時間であった。

笑いの健康効果についてはストレス解消、高血圧予防、糖尿病予防、免疫力の強化、うつ予防、認知症予防など最近の研究から多くの健康効果が分かってきている。

「幸福だから笑うわけではない。笑うから幸福なのだ。」という幸福論で有名なアランの言葉ではないが、「楽しいから笑うのか(キャノン・バート説)、笑うから楽しいのか(ジェームズ・ランゲ説)」という命題は古くから生理学・心理学の分野で多くの議論となってきた。一見したところ「楽しいから笑う」の方が自然に受け入れられるようにも思えるが、よく考えて見るとアランの言うように「笑うから楽しい」も真理に思えてくる。それは自分で笑顔を作って見ると気持ちが和んでくるから、誰でも実感できるだろう。笑顔を作ると頬の筋肉(頬骨筋)が収縮するが、頬骨筋は脳に結びついている筋肉である為、その刺激が脳に伝達されてβエンドルフィンというホルモンが分泌されることから、楽しい気持ちになると言われている。

「ハッピー・ピープル・リブ・ロンガー」という論文が2-3年前にアメリカで発表されて話題となったが、正に、「笑う門には“福”来たる」であり、「笑う門には“健康”来たる」である。

笑うと気持ちが良くなり、ハッピーな気持ちになり、そして何よりも健康に良いのだから、大いに笑おう!!

疲れた時にはショート・ナップ(短い昼寝)が効果大

今日は4月1日。桜の花も満開となり、やっと本格的な春の到来だ。このような気候になると体の60兆ともいわれる細胞も安心するのか昼食後などには眠くなったりする。健康の3要素として一般的にバランスの摂れた食事・適度の運動・十分な休養と云われている。どのくらいの睡眠が健康に良いのかについては7-8時間が最も良いとの研究報告がなされており、これよりも少なくても長くても健康には害なようだ。また、単に睡眠時間だけでなく、睡眠の質も重要となっている。特に高齢者になると、なかなか朝まで“ぐっすり”とはならず、浅い眠りがどうしても続くようになってしまう。

こうした時、昼寝は大変有効だ。しかしながら、昼寝には気をつけなければならない点が一つある。それは決してベッドの上で寝ないことだ。ベッドの上で寝ると深い眠りとなってしまい、夜になると、また寝られなくなってしまう、と云う悪循環に陥ってしまうからだ。最適な昼寝は15分程度と云われている。 短すぎるように思われるかもしれないが、15分でも脳を休めるとその後の活動にはかなり効果的な影響を与えることが出来る。私は通常昼寝はしないが、疲れた時などには椅子に座ったままで5分間ほど目を閉じることにしている。不思議なことに5分未満では効果がない。私の脳は5分が最低必要時間のようだ。眠りに入らなくても5分間目を閉じていれば、脳の疲れが消え去ってしまうので私にとって効果は絶大だ。

脳が受ける刺激の8割以上が視覚からの刺激と言われており、次に多いのが聴覚からの刺激で1割程度であるとの事である。このことからも目を閉じて視覚からの刺激をカットするだけでも大いに脳を休めることに繋がる事が理解できる。電車などに坐っている時などに周りを見渡したり、外の景色をぼんやり眺めたりしている場合には、目を閉じて脳を少しでも休めてあげることも脳のエネルギーを有効に活用する方法かもしれない。

世界の認知症患者数が2050年までに3倍増すると予測されることの意味

2月28日の読売新聞に「世界の認知症患者が2050年には現在の3倍増、1億3500万人になると予測されている」という衝撃的記事が載っていた。世界で最も早いスピードで超高齢社会に突き進んでいる日本も例外ではない。特別養護老人ホームへの待機高齢者が昨年52万人超となり、認知症による行方不明者数が年間1万人に達するなど深刻な状態だ。

こうした中、政府の対策だけでなく、認知症予防のためのさまざまな研究への取り組みが発表されてきている。私自身も今年古希を迎える年なのでこの問題は他人ごとではない。そうした思いで幾つかの論文に目を通しているが、やはり適度の運動は認知症予防に効果があるようだ。そして運動しながら頭を使うとさらに効果が大になると思われる。運動することで脳の血流が増え、血流が増えた状態で頭を使うことが認知症予防に効果が大きいようだ。

私は週2回太極拳を行っている。初心者の方は最初太極拳の動きを覚えるのに苦労しているようだが、そうした時、「今は大変な時ですが、脳は大変活性化しているのであきらめずに続けて下さい」と、何時も言っている。この脳の活性化は正に認知症予防にも効果があるのではないかと思っている。

「ご機嫌に、毎朝スッキリ、適度の運動」 は健康維持の3原則

表題の3原則は私が健康維持のために必要だと日頃から考えて実行していることである。

先ず①「ご機嫌に」とは日頃から出来るだけ笑顔でご機嫌にポジティブな思い(ポジティブ感情)を持って過ごす様に努力することである。ポジティブ感情が長寿と関係していることはアメリカで発表された有名な論文(修道女研究)からも明らかだ。さらに、「ご機嫌に」過ごすことの大切なことは免疫力の向上に繋がる事だ。私たちの体は外から入ってくるウイルスや細菌そしてがん細胞などを撃退するために免疫細胞が昼夜を問わずに働き続けてくれている。そして、この大切な免疫細胞を元気にすることが出来るのは私たちが「ご機嫌に」過ごすことなのだ。

②「毎朝スッキリ」とは朝食後間もなく「柔らか過ぎず、硬すぎず」の便のことだ。毎朝の便は体調の良し悪しの証である。「毎朝スッキリ」であれば腸内環境は善玉菌が優勢な環境の証なのだ。食物繊維や乳酸菌をしっかりと摂りバランス良い食生活をしていることを示している。また、腸は体の最大の免疫器官であるため、善玉菌が優勢な腸内環境を維持していると免疫細胞も元気に活躍してくれるのだ。

最後に③「適度の運動」とは自分の体力に合った無理のない運動を継続することだ。運動は体にとってストレスとなるが、適度の運動は「良いストレス」となる。ジョギングなども無理のない程度なら良いが、少しでも良いタイムを出そうと無理をすると「悪いストレス」となる。大切なことは無理をせずに楽しみながら運動することが大切と言える。こうした運動は免疫細胞も活性化するだけでなく、筋力の維持にもつながる。

さあ今日も元気で「ご機嫌に、毎朝スッキリ、適度の運動」に努めよう!!

健康寿命について

最近はマスコミなどでも「健康寿命」という言葉が良く聞かれるようになった。私はここ数年太極拳の健康効果について、いろいろな場で話をする機会が多くなったが、毎回「皆さんは健康寿命という言葉を聞かれたことがありますか?」と尋ねることにしている。数年前までは「はい」と答えた人はほとんどなかったが、最近は3-4割の人が「はい」と答えるようになった。

健康寿命とはもとより「自分の事は自分でできる自立した健康な状態の寿命のことである。現在、平均寿命と健康寿命との差は男性で9年強、女性で12年強といわれているが、この期間は誰かに介護を受けている期間と云うことになる。平均寿命が延びたといっても介護を受ける状態では本人の生活の質(QOL)も低くなってしまい、必ずしも喜ばしいことだけではあるまい。やはり、自分の事は自分でできるという健康寿命を如何に延伸するかということは、超高齢社会といわれる我が国においては焦眉な課題だろう。